店舗における顧客管理。抑えておきたい基礎ポイントまとめ。

顧客管理について 店舗管理
顧客管理について

顧客管理とは

店舗運営において、顧客情報を管理することは、長期的な成功を追求するために不可欠な要素です。顧客管理とは、ニーズを理解したうえで良好な関係を築くこと、リピーター顧客を獲得すること、その結果売上を増加させるためのアプローチをさします。

また日本では特にポイント機能が重視されています。ロイヤリティプログラムと呼ばれるこの種のサービスは、リピーターを作るためには非常に効果的です。
一方で多くの店舗が導入していることから、紙やプラスチック製の手頃なポイントカードは、そもそも受け取ってもらえない可能性もあるでしょう。

顧客を管理するシステムの多くは、安価でも良いので、インターネット上のサービスを利用した方が、顧客、店舗双方にとってメリットが大きいのも事実です。

顧客管理の目的とポイントを抑えつつ、顧客との長期的な関係構築を目指していきましょう。

顧客情報の収集

顧客情報を収集する大きな目的として、顧客のニーズを理解すること、顧客に対して個別のサービスを提供すること、この2点を忘れないようにしましょう。

多くの商品がオンラインで気軽に購入できる現代において、1:1のパーソナルなコミュニケーションの必要性が増しています。そのため顧客の好み、ニーズ、その他様々なプロファイルを顧客情報として一括管理しておくことが非常に大切になるでしょう。

そうでなれば、不特定多数の顧客に対して不要な情報を送り続けることになってしまいます。顧客のニーズ毎にセグメント分けをしたり、適切なタイミング・情報が必要と考えられるタイミングで顧客にアプローチをしたりすることができくなります。

それでは主に、どのような情報をまとめておく必要があるのでしょうか。

名前、連絡先

顧客の名前、連絡先は最も基礎になる情報です。名前は必ず読み仮名まで控えるようにしましょう。顧客への電話の際に困ることになります。

連絡先で最も代表的なものはメールアドレス・携帯電話番号でしょう。
最近は、多くの顧客のメールボックスは、広告のメールマガジンや、オンラインストアの注文メールで一杯です。

メールによるコミュニケーションは引き続き重要な位置づけにあることは間違いないですが、携帯電話番号へのSMS(ショートメッセージ)も効果的です。LINEのようなトーク形式の会話に慣れている方も多いため、メールとSMSを組み合わせてアプローチすることで、より高いレスポンス率を獲得することができます。

購買履歴情報

顧客管理をするうえで、顧客が何を購入したか、を控えておくことで次のようなメリットがあります。

  • 顧客の好みを把握できる
  • 特定の商品を購入した顧客に、関連する商品の提案ができる
  • 複数名の実店舗スタッフが在籍する場合、誰が対応しても均一なアフターサポートや保証ができる
  • リピート率や購入単価の高い、ロイヤルカスタマーの出力が用意できる

購買履歴を残す場合は、Excelやスプレッドシート、CMS(顧客管理システム)などどのような形であっても、最初から系統立てて記録する必要があります。

メモのようにテキストファイルでのみ残しておくと、品番検索や商品面検索といったことができず、思ったような顧客情報の取得ができなくなってしまいます。

誕生日

バースデークーポンは、どのような業態であっても、もらってうれしい特典の一つでしょう。誕生日を記録しておくことで、「誕生日のX日前になったら、メールを送信する」といったワークフローも可能になります。

業態に合わせた、顧客の好み・所有物

あなたの店舗がファッション業界であれば、顧客情報にはお好みのスタイルや色、デザイナー等の情報を含めると良いかもしれません。または植物・花を販売する店舗であれば、購入履歴と合わせて記念日ごとの傾向を控えるのも良いでしょう。父の日、母の日に良く買う顧客、のようなセグメントをつくることができれば、より効果的に顧客が役立つ情報を提供することができるようになります。

メールマガジンやダイレクトメールの送付の許諾

もちろんこれらの情報を使うためには、店舗の営業活動中に必ず顧客情報の利用許諾を得なければいけません。会員登録をするアプリや画面には、必ずわかるように併記し、チェックボックス機能を付けておくことをお忘れなく。

この辺りを管理する際のサービスの一例として、Hubspot(ハブスポット)を挙げています。

ロイヤリティプログラム

店舗に何度も足を運んでいただくためには、それを促すためのプログラムが必要です。来店数が多い = 良きリピーター = ロイヤリティの高い顧客、をつくるには次のようなアイディアが考えられます。

ポイントプログラム

日本のマーケットにおいてポイントシステムは、もはやなくてはならない存在でしょう。購入のためにたまるポイントは、顧客の再来店を促しやすくなります。

1ポイント1円、と言った変換レートを設定しておく必要がありますが、1000円の商品を1000ポイントで購入した場合でも、店舗のその原価(例えば原価率50%であれば500円)のみの負担で済みます。

またイベントや季節の催事にあわせて、ポイントX倍、のようなさらに顧客の購買を促すキャンペーンも行いやすくなるでしょう。

会員ランクプログラム

主にポイント機能を提供するシステムに付随する機能として、「会員ランク」制度があります。一定の金額以上を、一定の期間で購入した顧客に対し、会員ランクを設定することで、そのランクに応じた特典を付与することが可能となります。

この機能の重要なところは、顧客が自分自身の会員ランクをしっかり認識できる仕組みにしなければならない点でしょう。

特典提供に関するプログラム

何か特別な行動をとった顧客に対し、特典を提供するプログラムも有効です。別の顧客を紹介したり、指定の回数来店したり、特定の複数商品を購入したり、様々な行動設計が可能です。

特典は、可能であれば魅力的な非売品であることをお勧めします。
なぜなら、商品として販売しているものを無料で上げる場合、「その商品を有料で購入した顧客」への配慮も必要だからです。

コミュニティを築くためのイベントプログラム

店舗の顧客管理がある程度できあがってきたら、その方々に向けて、あなたの店舗独自のイベントを提案してみましょう。バーベキューでも、取り扱う商品に関連する文化・地域を学ぶワークショップでも、関わりのあるインフルエンサーを招待したトークイベントでも、自由な発想で検討しましょう。

週末でも平日でも、店舗の営業日にあわせて開催することができ、顧客が5-10人程度集まれば、楽しい空間を作ることができまし、入念な準備があれば大きな失敗は避けられます。

またうまく盛り上がらなかったとしても、参加者の意見をヒアリングし、次にいかしていきましょう。

アフターサービス

実店舗における顧客管理のうち、「アフターサービス」も非常に大切なポイントです。

アフターサービスには、おもに修理やメンテナンス、クレーム対応が含まれます。顧客情報を適切に管理し、購入履歴や連絡先を系統立てて記録することで、いつ・誰が・どの商品を購入したのかが、店舗スタッフの新旧にかかわらず誰でも把握できるようになります。

また顧客に対しても、顧客登録をするメリットとして、このようなケースですぐに対応できるようになる点を挙げ、登録を促してみましょう。双方のメリットになることは間違いありません。

オムニチャネル体験

オムニチャネルとは実店舗と自社ECサイト販売を統合し、シームレスな体験を提供することです。例えば顧客が「ECサイトで調べた商品を、そのまま予約し、店舗で実際に試す」といった経験をサポートできる体制を作りましょう。

大掛かりなシステムから始める必要はありません。業態にもよりますが、ECサイトと店舗をつなぎやすいところからスモールスタートすることをお勧めします。

例えば閲覧しているページに、店舗の来店予定や商品の予約を促す、などは比較的簡単にできるものでしょう。また先にあげたポイントプログラムについても、店舗での購入記録と、ECサイトでの購入記録を合算できるサービスを最初から選んでおくことで、尚お客様のメリットになることでしょう。

フィードバック収集

顧客管理の方法と、その顧客情報の使い方は様々ですが、最終目標は、何と言っても自分の店舗にもう一度足を運んでもらうことです。そのためには、顧客が気になる点や不満、良かった点を正直にフィードバックしてもらうと役に立ちます。

フィードバックを受け付けるために口コミやレビュー機能である必要はありません。Survey MonkeyGoogle FormMicrosoft Formsといった無料で収集できるサービスは多々あります。

ただこの場合、目的は満足度評価を行う事ではなく、改善点や良かった点についてフィードバックをもらう事です。従業員評価など、社内制度として使う場合は「10段階評価」のような形式で点数をつけてもらう方法が考えられますが、可能な限り具体的に、顧客がどこに不満を感じたのかを明記しやすいような質問を事前に整えておきましょう。

質問の作成方法を間違えると、ただの定量的な数値のみのフィードバック収集となってしまいますので注意が必要です。

まとめ

実店舗における顧客管理は、ビジネスの成功に欠かせない要素であり、顧客体験を向上させ、リピーター顧客を獲得するための活動です。

1日の情報量は大したものではありませんが、日々積み重ねることで、将来崩れる事の無い、自身の店舗の財産となることは間違いありません。
顧客情報を獲得するための店舗スタッフのトレーニングと、テクノロジーの活用を通じて、競争力のある実店舗を構築していきましょう。

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